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最高裁判所第三小法廷 昭和38(す)367 決定

主 文

本件申立を棄却する。

理 由

本件異議申立の趣意は別紙のとおりである。

所論は要するに、申立人は前記窃盗被告事件に関する訴訟費用として一万四百円

を納付すべき旨の告知を受け、未だ納付していないうち、更に右被告事件に関する

訴訟費用として重ねて別個の納付告知書の送付を受けた。しかし右は、同一被告事

件についての訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行を二重になすものであつて不当で

あり、申立人としては、いずれの納付告知書が正しいのか迷うので本件異議申立に

及ぶというにある。

よつて記録を調べると、当裁判所の照会に対する最高検察庁総務部長米田之雄作

成並びに仙台高等検察庁秋田支部作成の各「訴訟費用負担の裁判の執行について(

回答)」と題する書面の記載によれば、申立人に対する前記窃盗被告事件において

は、第一、二審及び上告審はいずれも被告人である申立人に対し訴訟費用の負担を

命ずる裁判をしたものであつて、その裁判の確定したのは昭和三五年一一月一日で

あること、最高検察庁は右確定記録により、申立人の負担すべき第一、二審及び上

告審の訴訟費用を合計し一万四百円と調定し、同三六年二月二五日秋田刑務所在監

中の申立人に対し納付告知書を発したこと、最高検察庁は右訴訟費用の調定に当り、

別に、申立人の請求により第二審の判決宣告後に行われた勾留理由開示手続に出頭

した国選弁護人に支給された日当七百円の訴訟費用につきこれが負担を命ずる旨の

第二審の同三五年六月一六日附決定があり、これに対し申立人からその執行免除申

立がなされていて、右調定当時、未だ右申立に対する裁判がなされていなかつたの

で、右七百円の訴訟費用はこれを一応除外して本案の訴訟費用のみを一万四百円と

調定したものであること、その後同三六年三月八日第二審において右免除申立を却

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下する旨の決定があり、同月一四日確定したので、仙台高等検察庁秋田支部は同年

四月一日申立人に対し訴訟費用七百円の納付告知書を発したものであること明らか

である。

以上の事実に徴すれば申立人に対し最高検察庁と仙台高等検察庁秋田支部とがそ

れぞれ訴訟費用徴収手続をとるのは当然であつて何等重複する点はないので所論は

理由がない。

よつて本件異議の申立はこれを棄却すべきものとし、裁判官全員一致の意見で主

文のとおり決定する。

昭和三九年二月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 横 田 正 俊

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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